十音の近く、目白通り沿いのオーダーメイドシューズのお店のウィンドウ。ピンクの鮮やかなハイヒールの横に「足」。
結構ハイアーチ。色が白いのは、型だからですね。人の足だったら、DIリフレクソロジストは喉とか肺とか大腸の調子についてお尋ねしたり、突然加湿器つけたりするかもしれませんな。
そうでなくても、最近起きた時、身体がとてもだるくて足がこんな色、という方もおられるかもしれません。ちょっと元気が出ない時ですね。5月病、とはよく言ったものです。
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もともと興味のあった、他人との間にまつわることを仕事にしてしまおう。
そうすれば「悩み」で終わっていたものを「考え」にし「行動」に落とし込める。
どうもくよくよと悩むばかりで動きかたが思い浮かばなかったわたしは、2年前、どんな「技」があれば行動に移れるのかと考えました。
技は、心理的なものではなく、とにかく物理的に、身体を動かしてできることがいい。
映画「戦場のピアニスト」では、シュピルマンというピアニストが、奏でるピアノを奪われたばかりに長い間音楽家でいられなかったということが気にかかっていました。
仕事から「道具」を取り去ってもまだ残る技にしよう。
震災のようなことがあり自分の身以外なんの物理的な道具がなかったとしても、空の下で使える技がないかと考えました。
人を楽しませるか(例えばダンサー、歌手、噺家)、人と人をつなぐか(通訳とか)、人を介抱できるかという3種類のジャンルが浮かんで、消去した結果、手技の中の、それもなんの器具もいらないリフレクソロジーを選ぶことにしました。
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リフレクソロジーの技を身につけて、施術をすることそれ自体が自らの仕事だというより、
リフレクソロジーの技を介したときに生じる応答すべてが仕事です。
十音に訪れる方が、自分のなかだけで解決しようと奮闘していた複雑な要素が、物語を編集することですこしだけ外へ出て、突破口となり、すこしだけ息がしやすくなり、結果うまれる勇気や元気があるとよい。
わたしはリフレクソロジストなので、そこで使われる技は心理的なものではなく、話術でもなく、どこまでも単純に、刺激するということでありたいと思います。
わたしは技を仕事にどのようにつかうかを考えます。
かかりつけのお医者さんを選ぶように、ご自身のかかりつけとしてリフレクソロジストを頼れることを知っていただけたら、「セラピスト」と呼ばれる手技療法を身に付けた人たちの「仕事」は広がり、なにか社会の問題の突破口にもなり得るのではないか。壮大ですね。
さて、「かかりつけ」と書きましたが、親子3代の足裏をケーススタディでみる機会がありました。おばあちゃんの足と、お母さんのあしと、娘さんの足は似ているけれど、叔母さん二人の足はまったく違う色形、きっとおじいちゃんの足と似ているのでしょう。体質もきっとそのようであり、起こりやすい疾患も切れないところがあるのではと思います。そうしてみていくと、予防や予測のできる範囲のこともありますし、家族をちょっとだけ客観的にみる眼としてリフレクソロジーの技が使えることもありますね。
わたしは今年40歳になりますが、できることなら親子4代ぐらいとかかわれるリフレクソロジストになってみたいです。足裏からご自身のハイブリットぶりを観察してみてはいかがでしょうか。