ビッグイシューはホームレスになったひとの自立支援事業です。
http://www.bigissue.jp/
この雑誌1冊350円のうち、180円が販売者の収入になります。
その収入でまた雑誌を仕入れて、また350円で売って。
気の遠くなるような小銭の積み上げをして、
住所を得てほかの職につくことができ、「卒業」となる。
目白駅前の販売者さんは、
わたしが買い始めて3人目となりました。
今から10年前、目白近辺で行われていた「目白バ・ロック音楽祭」がきっかけで、
ビッグイシューを買い始めることができました。
1人目の販売者さんは、いつも雑誌を持った腕を高くかかげて、
たまに休憩で腰かけているときも背筋がぴっとのびていてとても立派な顔をした男性で、
なんでこの人が、住所を失う羽目になったのだろうと意外に思いました。
雑誌を買うようになって、
人はいとも簡単に職も住所も、人とのつながりも失ってしまうということを知り、
住所はかろうじてあったけれど不安定な生活をしていたわたしにとって、
ホームレスは「お隣さん」に思える存在となりました。
人は住所を失い、他者とのつながりを失って、(または自ら切ってしまって)、絶望してしまう。
たとえ今、屋根の下で暮らせていたとしても、
会社勤めでない人間が、または保障してくれる人のいない人間が、
あたらしく部屋を借りたり買ったりするのが日本では大変です。
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さて、このビッグイシューですが、
今を生きるためのとても質の良いインプットをくれます。
新聞にも、SNSのタイムラインにも掲載されていない、けれど大きな社会問題となっていることばかりです。
人が行動を起こし、フォロワーを得て、社会を変えていく過程が
ていねいに取材され、
その人柄までがにじみ出るような絶妙な引用と客観のバランスの平易な文章で伝えられています。
いつも購入後電車の中で読むのですが、
この記事も、あの記事も、みんな誰かに話してあげたい、読んでくれないかなと思うようなものばかりで、自分ひとりで納めておくのがもったいない。
ナイフ一本で森で生き残る、とか。
30年務めたニューヨークタイムズを辞めて、刑務所内暴力や偏見を暴く調査報道を始めた人、とか。
これは、ブラジルの映画。オーケストラが貧困問題に対して何ができるか、とか。
親子で投げ銭キャラバンで7年も演劇続けている人たち、とか。
十音にももちろん置いてあって、クライアントの皆さんには読んでいただけるのですが、
ちょっと考えました。
もし、「びびっときた」記事があって、でも帰り道に販売者さんがいない(販売者は駅の入り口の路面などにいるのですが、体調や都合で不在のこともあります)場合、
十音で、代わりに買っておいてお渡しするっていうのはどうでしょう。
目白駅の販売者さんもいつまでいらっしゃるかわからないですけれど、東京は販売場所が多いので、なんとかなります。
回数券11000円をご購入の方は、もともと寄付になる1000円分のうちの、350円でお使いに行ってまいります。
リフレクソロジーで元気になって、社会問題解決支援もご一緒しませんか。