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糸と、布と、服と肌ざわりのこと。


ぜいたく…なのですが、あまりお店で服を買った記憶がありません。

ありがたく、先輩たちから服や布をいただきます。

体型も性格も規格外!と冗談で(はなく)言っていますが、

確かに流行する服には合うものがなかった、というのもあります。

はじめてセミオーダーしたスーツのために、

自分で選んだ布は男ものでした。

ぎゅっとめが詰まってつやつやしていて!

幸田文の「きもの」で着るものについて癇の強い主人公が、

やっと満足できる反物にめぐりあったくだりには強く共感しました。

表現するときに「テクスチュア」という言葉を使ったりしますが、

わたしはさまざまな印象を原始的に肌ざわりに置き換えることが一番多い気がします。

下着も含め自分の規格に合わないものを着ることに不快感があったせいかもしれませんし、

経糸と、横糸の質の違いで布全体の質感が変わるのだという仕組みも分かりやすいから。

10月も終わりに近づき、底冷えがするようになったので、

十音では昨年(ケーススタディの時)から活躍の、叔母の手創りのアルパカの毛布が帰ってきました。

ちょっとねばるような糸を編んであって重みがあります。

アルパカって、顔がなんともかわいいんですが、

クライアントの皆さんには、ぜひともかわいいアルパカと一緒にひと眠りするような気分で、

くるまっていて頂きたいと思います。

光除けで目の上に置くタオルも良いものをさがしていて、

D&Departmentで会ったYOUTHの深緑のパイルガーゼタオルに落ち着きました。

柔らかく、軽いので額に載っても負担が少ないですし、

毎回純石鹼で洗いますがすぐ乾くのでありがたい!

冬支度で足元のマットもホームスパンウールの厚い織物に取り替えて、

湯たんぽにお湯を入れて、深まる秋の肌ざわりにも準備万端。

今日、サルエルパンツを仕立てに伺った工房。

他の方からのオーダーである着物地を解きながら、

テーラーであるご主人は、いろいろと思うところがあるとおっしゃっていました。

その着物を作った人の、思い入れが、縫い方、布の扱い方に見えて、

ほう、と思うのだ、と。

リフレクソロジーも同じ。

ほどきながら、クライアントのヒストリーが感じ取られるもので、

足裏にもテクスチュアを感じ取りながら必要な刺激を差し込む。

感覚はどこまで研げるでしょうか。

写真は、羽織だった絞りの布です。

これの仕立ては夏にむけてのお楽しみ。


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