谷中の藍染川跡から路地を少し入った、
ギャラリーkingyo で開かれているという、
へ、夕方番頭と連れ立って出かけました。
十音にも展覧会お知らせの葉書をピンでとめていたので、
気を留めた方もおられると思います。
藍染川をたどった通りから少し路地を入ったところにあるkingyoの、
大きなガラスの正面から、
静かなくすんだ色彩が空気を染めているのが見えて、
巨大な水槽を見るようです。
色を何重にも置いたり、モノを配置したりしながら、
再構築された世界です。
迷いも境界線も見えないかわりに、
対象のエッセンスだけ網膜に焼き付く感じ。不思議。
さて、人の足に触れていると、
皮膚というよりその人の中身や体調が指に触れるような不思議な気持ちになります。
細胞レベルで言えば、肌の境界線などあいまいなもので、
人に触れるとはお互いが浸食し合うことなのだということでしょう。
まるで空と海面の境がない風景や、
曇り空のように、
きっぱりと分かれないとろりとした色彩の中に差し込まれている、
1点の厳しい藍色によってカタチが浮かび上がるというのは…
興味深いですね。
刺激もそうやって人の心身を浮かび上がらせるものかもしれない。
施術者の手はすごい量の記憶を留めるものなのかもしれない。
この個展は24日までのようです。