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あぐねる。


ちょっと書き倦(あぐ)ねたりすると、

すぐ時間は過ぎてしまう。

今生きている者に、時間だけは平等に手元にあって、

どう使うかというのはそれぞれの権利と責任と判断だ。

後悔してもよいと思うけれど、

いつまでも人のせいにして悔いているのはもったいない。

人のせいにしたくなるときは、

自分の身体もけっこう弱っていると思うので、

まずは体力と流れを回復することに一所懸命になったら良いのではと思う。

自分を正しく評価して、

足りないところは補う努力に踏み出す。

それだけ。

シンプルにね。

昨日は雨の選挙のあと、

サントリーホールへ。

日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートを聴く。

指揮者アレクサンドル・ラザレフは、

音楽家を最高にかっこよく見せてくれる。

触れたらやけどしそうな気迫が一人ひとりにみなぎっていて、

それが大きなうねりになって溢れ出す瞬間を見ることができる。

そのオーケストラのうねりの真ん中で、

鼓舞する神官みたいにラザレフがいる。

初めて聴いたショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲は、

うねうねと出口のない状態が続くと思いきや

突然はっとするような澄んだ切ないメロディが聴こえてきたりする。

あとコントラバス、チェロの低い祈りの上を、

ヴァイオリニストが独りでさまよっているような光景も浮かぶ。

こういう風に思い入れてしまうビジョンで迫ってくるようなコンサートにいられて幸せだ。

そして、休憩後のチャイコフスキ―は何度か聴いているにも関わらず、

気落ちしたり、高揚したり、

その振れ幅も大きくて、

アンタほんとうに大変な人ね、と同情した。

オーケストラ曲の「スピリット」の探究の仕方は、

音楽家それぞれ違う。

だからコンサートは面白い。

一つ一つの旋律に深読みをして、

セラピューティック・リフレクソロジストの五行

欲を満足させた。

1週間雨が続いて湿って、

みんな体調が悪いなと周りをみていて思ったけれど、

いつか晴れると思っていた。

台風一過。

強い日差しと風で一気にいろいろが乾いていくのが分かる。

人との距離感の湿度を、バランスよくいくのは難しい。

でも、極端な昨日のチャイコフスキー、わたしはとても魅力的だと感じた。

1曲の中に身を置く時間が

客席に座る全員にひとしく降り注いでいる。

2階席にいると、2000人分の心臓の鼓動が見えるようで、

その音は集まったらすごい音量のはずだけれど、

身体が内包しているので聴こえてこないのだと気づいたら、

ホールが発芽寸前の種子のように見えてきたよ。

帰りは、池袋のスペインバルで、

赤ワインを一本あけて、イカスミのパエリアを食べました。

普段は外食って本当にしないのだけれど、

食べる場を変えると、

普段しゃべらないようなことをちょっと話し合えたりして、

また楽しいものですね。

ニトリでスパイスホルダーも買いました。

冷蔵庫にくっつけます。


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