ー音楽を奏でることと、身体に触れることは似ているー これは実は4/16 <ほぐしをほぐす>スピーカー:小松ゆり子さんからいただいたフレーズです。
このことを十音は 触れる瞬間と、離れる瞬間に思います。 弾く精度が音色を決めるすべてである弦のように触れ、 パイプオルガンのパイプの蓋をパタ、と閉じるように手を離す。 パタ、がうまく行った時は、 クライアントの身体からすごくいい音が引き出されたような気がしたりもします。 かように、放たれたたったの一行が、 まるで鈎針のように誰かの記憶の糸をひょいとひっかけ、 するすると引き出してくる、 インスピレーションの宝庫のような小松さんのフレーズは、 いつも十音の腑に落ちボディブローのように効いてきます。
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今日は音楽家がたくさんホールに集まり、 イギリス音楽のリハーサルをしています。 音楽のいいリハーサルは、 いいマッサージみたいに、がびがびに乾いた心を溶かす。 楽器の音、人の歌声、 その音楽や歌詞に対する思い入れを語る声、 笑い声、 いろいろが空気を震わせて、 一番後ろの席に(仕事をサボって)座っているわたしの心の棘を 鎮めていってくれました。 音楽を聴くことと、身体の声に耳を澄ますこと、 また施術を受けることも似ていると思う。