*待て。(来ないこともあるが。)
待つことがあまり苦ではなくなりました。
↑コモの夜にて…電車が来ない。
チケット売り場で待ち、
入るために並んで待ち、
お昼休みが長いので開くのを待ち、
トラムが来るのを待ち、
バスを待ち、
電車を待ち、
パスポートコントロールで待ち、
そして今は、アリタリア航空のマイル加算を待っている…
待つのはよいのですが、
自分の番が来るのか分からない、というのが最初つらい.。
自分が一番損をしているのではないか?とおびえるのです。
しかし、
周りのイタリア人もうんざりしているのを見ると、
まあ、これは「運」なのかなと思うのでした。
効率よく巡れたらラッキーだけれど、
そんなに勤勉でもないし、必要はあまりないのかも。
↑ナポリ。カフェで待つ。「待ってなさい、今、あなたのを淹れてますから」
↑ミラノで電車を待つ。
◆ミラノで待つ
ミラノのドゥオーモは、17年前に来た時は無料で、
並ぶこともなかったのですが、
今はまずチケットを買うのに難儀し、
(自動券売機はわかりにくい上、カードの署名パネルが機能しなかったりして、
並んでもチケットを得られずに諦める人たちも)
正面から後ろまで回り込むぐらいの列に並びます。
それは、警察による手荷物検査と、身体検査があるからで、
並んでいる間に、服装と大きな荷物はロッカーに預けろぐらい指示する係を配置したらいいと思うのですが、
まあそういう面倒なことはしません。
掲示してあるからです。
それも入り口近くになってですが。
↑番頭は、キーホルダーに着けていた非常用のホイッスルを、あえなく没収…
吹いてみればよかったですかね。
そしてミラノで、トラムは来ませんでした。
蚊がなぜかニッポンジンだけに寄ってくるバス停にて、
1時間以上待ったかな…
最後は、係員を見つけて代替案を訊きました。
さっさと訊くのが良いのですが、
旅の最初のころは言葉の不安と、
なんだか、待てば来るのかな、そのほうが面倒くさくないや、
という考え方があったんですね。
でも、自分が知らないだけで、
来ないと決まっている時もあるので。
そして来ないのを待っている人たちに、
「来ませんよ」という親切なアナウンスはないので…
↑ミラノの宿にて。手動エレベーターがゆっくり下りてくるのを、待つ。そして再開扉のボタンはあっても、「閉める」ボタンはないので、ドアが閉まり、動き出すのを、中でじっと待つ。
◆カタコンベで待つ
ローマの旧アッピア街道沿いにある、
サン・カッリストのカタコンベの待ち時間の原因は、
ひとえに、
2つあるチケット売り場が一つしか使われず、
しかも動作がゆっくりのおじいちゃんがえっこらしょ、と作業しており、
観光客のさまざまな英語やカタコトイタリア語を丁寧に聞き取ろうとされ、
割り込むドイツの修学旅行の引率者を許し、
そして、なぜか入場が言語ごとに分けられてという”funny way....(と、となりのおじさんがつぶやいていた)" につきます。
イタリア語、英語、スペイン語、ポルトガル語、ドイツ語、フランス語 のグループに分けられて、
最初にカタコンベについての講義を(灼熱の外で)聴くのですが、
そんなに言語分ける必要あったかな…
イタリア語と英語のグループでいいんじゃないかな。
そして、入れてもらう順番がまた、
一番遠くに並んでいるイタリア人→近くのドイツ語圏→フランス語圏→スペイン語圏
→一番人数が多かった英語ひとまとめ(この回はポルトガルなし)
係のおじいちゃんにとっては、今も世界大戦中なのかもしれません。
日本人は私たちだけでしたけれど。
◆ヴァチカンで待つ
ヴァチカンの城壁に沿って3時間待った時は、
一瞬パパ・フランチェスコとカトリックをののしりそうになりました。
じりじりと日陰がなくなっていく…
暑いねーぐらいでは済まない、
ヴァンパイアでなくても蒸発しそうな日差しが、
刻、刻、と自分に迫ってくるのを見ると発狂しそうになりました。
↑左が城壁。右は予約者レーンです。
イタリアの夏は、帽子より、傘です!
雨傘で構いません。
大きな傘なら、並ぶ自分以外の人にも日陰を提供してください。
帽子は熱がこもって、かえって暑いと発見。
日陰さえあれば、湿度は低いのでさわやかです。
そして、待つ人々の列を、
なめるように見ながら「列をスキップしたいでしょ?」と話しかける、
ダフ屋のおやじたち…
それヴァチカンに言いなさいよ!
と思わずつぶやく十音。
この列のことは、神も見て見ぬふりなのであろう。たぶん。
この列は、やはり自動のくせに機能していない荷物検査と、
5つあったら2つ閉まっているチケット売り場、
団体や予約客の入場時刻と、
予約なしの人数をほとんど把握できてなさそうなオペレーションにあるようです。
ネット予約ができるのですが、
二人分の予約料払うより、そのお金でおいしいワイン飲もうぐらいの額。
そして、ネット予約した人も、予約なしの人も、
最終的には同じ列になるというのがどうもよくわからぬ。
↑そう。最終的には予約者も無予約者も、ここでいっしょくたになるという…
そういやなんで「ラオコーン」撮らずにこんなのを撮っているのだ、十音よ。
*
待つのが上手になったと思います。
待ち時間というのは、
貴重な余白だったとも思います。
不機嫌に立っているぐらいなら地面に座ってしまって、
しゃべったり予習したりしながら待てばいいし、
駅ならカフェに入って1.5ユーロのカプチーノを飲んで
まったりと写真の整理をする。
↑ヴァチカンにて。待ったあとの、アートよりビールが旨い。
◆空港にて、待つ
しかし、待つ場合は、情報収集を先にしたほうがよいらしい。
ローマのフィウミチーノ空港は、
最初にスーツケースを預けてしまい、
そのあとに身体検査を経て、
やっとフードコートにたどり着くのですが、
そこでゆっくりしすぎてしまいました。
さて、ゲートに行くか、と歩いていったら、
なんと。そこでまさかのパスポートコントロールの長蛇の列!
そっか、そういえばまだ出国してなかった。
しかしあと1時間半で離陸だが、間に合うかなーと思いながら、
なんとかなるだろうと、待つ。
↑ゲートのあとにフードコートやショッピングゾーンもあるからね!って
長蛇の列のゲートのところで言われても。
ゲートからの搭乗口の所要時間は、
ゲートのところに掲示されているので、
ゲート前に来る前で待ってしまうと、
間に合わない。笑
そういえば、空港のマップがどこにもない。
インフォーメーションで、ゲートの向こうにも飲食店はありますか?と訊いたら、
「どこにでもありますよ、シニョーラ」と言われたんだけれど、
それは質問の仕方も悪かったし、
彼も質問に答えていないと思う。笑
たどりついたコントロール係が、談笑したり、
スマフォを開いたりしながらパスポートをチェックしていて、
くだらない質問をされるのが面倒なので
番頭と二人、「一緒です」とパスポートを突き付けると、
2人に掛ける時間およそ3分。
名前を見て、スマフォをチェックして
(ラインとか見える個人のっぽいスマフォで、
フェイスブックを開いているんだけれど…何をチェックしているんじゃ)
番頭の渡航歴をつぶさに眺め、
(まあ、ロシアやら東欧やら押してあるから興味深いだろう)
しかし質問もなしに出国スタンプを押す。
そこから走って走って、
空港内移動のモノレール(きいてない)にも乗って、
水も買えずに滑り込んだ機内で、
白ワインと赤ワインを両方くれますか?と思わず頼む。
「一緒にですか?」
と老パーサーは叫び、
隣の男は安全なのか?と言いながら番頭を指さして、白ワインだけくれました。
食事の時は、
訊かずに「あなたは、赤ワインですよね、」と笑って、
規定量を1センチオーバーで入れてくれました。
↑フィレンツェのヴェッキオ宮の鐘楼で、鐘がなる時刻まで待ってみました。
後回しにはされますが、忘れられはしないらしい。
教えてはくれないが、知らなかったこともあまり罪ではない。
みんな要領の悪い愚か者ですが、それでよい。