「サロン」と呼ばれる空間の音楽が肌を通して身体を占拠するような感じには、
少し気を付けなければいけないと思っている。
癒しの周波数を歌うCDに助けられた記憶はないし、
モーツァルトさんの弦楽曲に
結局、音というのは自分が選び取るものなのですね。
セッションの場は自分の身体を聴く場なので、
できれば自然音だけがわたしは好きですが、
それが叶わなければ、音楽の呼吸ができる程度に、静寂をたすけてくれる音がいい。
音が差し込むことによって、
何かにはっと気づくこともあるし、
このアルバムは最初の曲と2番目の間に30秒ぐらいの無音があり、
それに気が付くときと気が付かないときがある。
気が付くときは、ふと今やっている「反射学」について思いめぐらせたりする。
ブライアン・イーノのアンビエントミュージック ”Music for Airports"は、小さなセッションルームに茶室のような静けさをもたらしてくれるので、よく回している。
クライアントにはおなじみの十音の空気のようになっているかもしれない。
その名の通り、空港(ニューヨークのラガーディア)で使用されているというが、
2011年にわたしが降り立った時には、ドル紙幣の両替とマンハッタン行きのバスのことであたまがいっぱいで、まったく意識しなかった。
つまりは、邪魔されなかったということか。
この曲についてインタビューで語っているイーノの映像も出ていますし、
また、以下は1995年のイーノの日記より、だそうです。
●中断可能でなくてはならない(構内アナウンスがあるから)
●人々の会話の周波数からはずれていること(コミュニケーションが混乱しないように)
●会話パターンとは違う速度であること(同上)
●空港の生み出すノイズと共存可能なこと
●空港という場所と目的に関係して、死に備えられるような音楽であること
(いずれもブログ【冥土ノ土産ニ音楽ヲ】より引用させていただきました。http://music.notes-jp.com/2012/08/brian_enoambient_1_music_for_a.php)
http://www.brian-eno.net/#