「ほぼ日」から見た「古楽の」「音楽会」ってどんな感じだろうと、
興味津々でチケットを買いました。
買ってから…
同志のリコーダー合奏があるとか、
みんなで歌うらしい(←苦手)
などの情報がHPから入ってきて、
正直…、だめかもしれん、わたしはなじめないかもと思って草月ホールに伺ったのです。
発表会とか、
内輪の要素が多い会なのかもしれないと。
ところがどっこい、
エンターテインメントとして密度濃く、
シェイクスピアに思いを馳せることぎっしりの120分でした。
マスター・オブ・セレモニー(MC)のいらっしゃる音楽会で…
それが、素晴らしく「マスター」なのです。
人は、幸せになりたければ、foolでなければ。
というメッセージが愛をもって伝わってじんわりしました。
そして、
佐藤裕希恵さんがすごく素敵な歌い手だということは知っていたけれど、
(それにしてもデズデモーナが絶品でした。オペラ一作みた気がしました)
リュートの坂本龍右さんまで味のある歌を歌う人なのだとか、
音楽家は「よりしろ」だという河合さんの言葉とか、
流れたり弾んだりしながらこぼれ出る英語の美しい語尾が改めて耳に染みたり。
シェイクスピア読むか、と思ったし、
英語の歌いいなあとも思ったし、
何しろ16,17世紀のロンドンの一角に思いを馳せるに十分な情報量が、
120分のコンサートの中に詰まっていて、
さすがという感じでした。
物販のところに、雑誌「考える人」のオーケストラの号が売っていてうれしかったのですが、
音楽を「教養」として、
文化を学ぶために、
という切り口から眺めて、
きちんと味わっていくことはとても楽しいことだ。
「音楽界」側も、この視点をもう少し持ってもよいのでは。
劇中で歌われるという輪唱そのものがすごく楽しかったとは言わないけれど、
それを「歌ってみようよ」と誘う人たちがとても魅力的だったのです。
気が付いたら楽しく歌ってました。
参加したくなっちゃって。
音楽のファシリテーターって、
こう言っては身もふたもないのですが…
その人の資質や雰囲気が大きい。
そして、その雰囲気には、その人の今までがじんわりとにじみ出ている。
だから、とってつけではなれない。
学ぶだけではなれない。
やっていかないとにじみ出ない能力。
多才な登壇、出演者に心から拍手しました。
満足しました~。