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わかりやすい翻訳。


「Webでも考える人」の対談企画「あたらしい『わかる』はどこにあるのか」が面白かった。

対談のタイトルにもなっている

「わかる」ということに関しては、

イベント「ほぐしをほぐす」でもあつかっていることでもあり、

リフレクソロジーでいう症状が良くなるということは、

「わかる」ということなのではないだろうかとも思っている。

日本語の専門用語って、

生きることとかけ離れたちょっと大げさな感じになるのだと、

この対談の中では言われている。

例えば、true は「マル」ぐらいの軽い意味なのに、

数学用語の truth を「真理」という専門用語に翻訳する。

漢字の「真理」ってとても重たい言葉なので、

この翻訳によって、数学が重たいことになってしまう。

実は今、会計についての本を読んでいるのですが、

前文に、この「翻訳」という言葉が出てきました。

「さまざまな企業活動を、

会計という世界共通のビジネス言語を使って決算書に翻訳すると考えれば、

『決算書の数字は必ずビジネスストーリーとつながっている』

ということが理解できるでしょう。」

(これならわかる決算書キホン50!2018年版 木村直人著, 中央経済社)

数字や簿記では落ちこぼれなのですが、

翻訳を変えて読み直したら、「わかる」かもしれない。

身体のストーリーにも同じことが応用できるに違いありません。

鬼ごっこのルールがわかるようになった程度の子どもに

自分の専門について説明できるようになりたい。

漢字のならんだ専門用語って

書いている人が勉強したことはよく知れるんだけれど、

書かれている内容がなんだかよく解らないことも多い。

もっと言ってしまえば、

本当に勉強したんだろうか、

その専門を本当に好きなんだろうかとさえ思う文章もある。

その内容が読み解けない(つまり、わからない)のを、

読む人は、はずかしいことと思いがちですけれど…

あなたが「考えること」を放棄しないで頑張って読んでいるなら、

悪いのはその翻訳と、言葉の組み合わせの順番だと思う。

書き手の自己満足、あるいは練り不足なんだと思います。

(それもいいですけれど。アートだから)

朝、セッションが入っていないのをよいことに、

少々不貞腐れながら、

そのあと

「反東大の思想史」っていうのをカウンターエリートという言葉に反応しながら読み。

他人が解るように考えて、こころを砕いて書いた文章には愛情を感じるし、

わたしはその書き手のことも好きになっていく。

考えたり、こころを砕いたりしないでもすらすらとそういう風に書ける人もいて、

わたしはそういう書き手の身体、細胞にまであこがれる。

くどくどと書いていますが…

朝、不貞腐れながらふと、

「説法ぽい翻訳文章って、

少なくともわたしにとっては、

あんまり魅力がないね」

と思ったのです。

もっと骨と肉から訳語を叩きだせないものなのか。私。

美味しい出汁なら六蔵六腑にしみわたるでしょう?

「役者が劇場のどこに立っていたかで観劇者に役柄を覚えさせた。

記憶術というのは古代ギリシャ以来の長い伝統を持っていますが、

簡単にいってしまえば記憶をトポス(空間)と結合させる技法です。

美術史家のフランセス・イエイツ(※3)が『世界劇場』という本で書いていますが、

記憶術と劇場空間が結びついて生まれたのがグローブ座なんですね。

劇場をひとつの世界と見立てて、

俳優が立っている場所と演劇内世界を連関させると

「世界を知覚する」「わかる」ことができる。

だからグローブ=世界なんです。

シェイクスピアの言葉に「この世は舞台、人はみな役者」(All the world’s a stage. And all the men and women merely players)というものがありますが、

グローブ座はまさに世界で、人生が通り過ぎていく場所の比喩、雛形なんですね。」

上記のフレーズは、この対談のなかで、

独立研究者で「数学する身体」という本を書いている森田真生さんという方が、

シェイクスピアのグローブ座について説明しているところ。


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